カテーテル検査の方法

カテーテル検査の方法

まず病棟で鎮静薬や睡眠薬を投与します。
カテーテル室では、直径2mm以下の細い管(カテーテル)を入れる場所に局所麻酔を行います。

患者さんの状態によってはマスクを用いたり、気管に管を入れて人工呼吸をし、全身麻酔をすることがあります。
カテーテルは足の付け根(鼡径部)、首、胸—肩、腕、手首などの動脈や静脈から入れ心臓まで進めます。

カテーテルを入れる場所には局所麻酔を行います。
普通は針を刺してカテーテルを入れますが、小さく切開することもあります。
カテーテルを血管の中に(特に動脈の中に)入れている間は、ヘパリンという血液を固まらなくする薬を使います。

カテーテルを心臓や血管に入れて圧力を測定したり、採血して心臓各部位の酸素濃度を測定したり、造影剤を用いて造影を行います。

要する検査時間は患者様により異なります。
検査後はカテーテルを抜いて圧迫して帰室しますが、穿刺部からの出血を予防するためにベッド上で安静を保っていただきます。

検査の必要性

心臓カテーテル検査は、心臓や血管に直径約2mmの細い管(カテーテル)を入れて圧を計ったり、造影を行う検査で、侵襲的検査と呼ばれています。

一方、非侵襲的検査は、体の中に器具を入れないで行う比較的安全な検査のことで、心エコー、CT、MRI、心臓核医学検査、肺血流シンチなどがあります。

心臓カテーテル検査は、このような非侵襲的検査では充分あきらかにできない点を検査する目的で行われます。正確な診断と病気の状態の把握をより詳しく行うことにより今後の治療方針(外来観察、薬物治療、外科的治療など)を立てる上での基礎資料となります。

検査のリスク

心臓カテーテル検査は侵襲的検査であり、100%安全に行える検査とはいえません。様々な危険性が伴う検査です。

一般的に小児では、心臓カテーテル検査で 死亡する確率は約0.1〜0.3%と言われています(但し、これは診断のためのカテーテルの死亡率で、カテーテル治療の合併症は含んでいません。)また重篤な合併症(脳障害、脳塞栓、脳血栓、重篤な不整脈、多量の出血など)が生じる可能性が約1%あるといわれています。
もちろんこの数字は一般的なものであり、患者様の年齢や現在の状態によって大きく変わります。
例えば、新生児の場合には明らかに危険性は高まります。さらにカテーテル治療や電気生理学的検査・治療の場合も一般の診断的カテーテル検査に比べ危険性は増します。

比較的危険は少ないと予測される場合でも、合併症が起こらないという保証はありません。一度発生してしまえば患者様やその御家族に重大な影響を及ぼします。
これら合併症は、間違いやミスがなくても、100%防げるというものではなく、侵襲的検査を行う場合には一定頻度で発生する危険があるものです。

また、合併症はカテーテルの最中だけでなく、終了後に発生することもあります。

おもな危険について

1.死亡 以下にあげる合併症によって死亡することがあります

2.心血管系

  1. カテーテル検査をきっかけに心不全が増悪することがあります。
    1. 無酸素発作といって、チアノーゼが増強して、治療が必要な発作が起こることがあります。カテーテル中だけでなく、病棟に帰室してから起こることもあります。発作が強いと緊急手術が必要となることもあります。
    2. 心臓の壁をカテーテルが傷つけ穴をあけることがあります(穿孔といいます)。少量の出血で大事に至らないこともありますが、出血の量が多いと心臓の周りの心嚢腔に血液がたまって心臓を圧迫することがあります。タンポナーデと呼ばれ、心臓が血液を充分拍出できない状態になります。その際には、緊急に心嚢腔に針をさして血液を抜いたり、緊急手術が必要となります。また輸血が必要となることもあります。
    3. 造影検査を行う際には、造影剤をカテーテルから器械で圧力をかけて押し出します。カテーテルと心臓の壁が密着していると、心臓の筋肉の中に造影剤が入り込むことがあります。筋肉内注入がおこると、心筋の収縮力が弱まったり、不整脈の原因になったりします。
    4. カテーテルが稀に心臓の弁に穴をあけることがあります。
    5. カテーテルが血管の壁を傷つけ穴があく(穿孔する)ことがあります。そうなると出血します。少量の出血で大事に至らないこともありますが、緊急手術が必要となることがあります。手術は穴があいた場所によって異なりますが、例えばお腹の血管に穴があくと開腹手術が必要となることがあります。また輸血が必要となることもあります。出血の量が多いと、血圧が下がって他の臓器に悪影響が及ぶこともあります。
    6. カテーテルが心臓の中の筋肉や弁を支えるひも(腱索)にひっかかって抜けなくなることがあります。またカテーテルが抜けにくくなった時にカテーテルの操作中に腱索が切れることがあります。腱索の切れ方によっては、弁の逆流ができてしまうことがあります。
    7. カテーテル自体が心臓や血管の中で結び目をつくってしまうことがあります。その際には手術でカテーテルを取り出さなければならないこともあります。
    8. 心臓自身を養う血管である冠動脈が閉塞したり、狭くなったりすると、心筋梗塞や心筋虚血(心臓への血液がたりなくなること)が起こることがあります。冠動脈に血液のかたまり(血栓)がつまったり、カテーテルの先端についている風船(バルーンカテーテル)が破けて炭酸ガスがもれたり、カテーテルが冠動脈の壁を傷つけ壁が剥離して冠動脈をふさぐことがあります。
    9. カテーテル操作中に脈が速くなったり(頻脈)、逆に遅くなったり(徐脈)することがあります。頻脈には、心室性頻脈、心室細動、上室性頻脈などがあります。頻脈になると血圧が急激に下がって薬物治療や電気ショックが必要になることがあります。頻脈がどんな治療を行っても止まらないこともあります。頻脈がどうしても止まらないと、血圧が下がって、重大な脳障害や死亡につながることもあります。房室ブロックという徐脈になるとペースメーカーが必要になることもあります。頻脈や徐脈といった不整脈の段階を経ずに、急に心停止をきたすこともあります。
    10. カテーテルを皮膚から血管に入れますが、カテーテルを入れた部分の動脈が血液のかたまり(血栓)でつまることがあります。カテーテルをいれた部分より先の手足が冷たくなったり、脈が触れにくくなります。その際には、点滴薬で血栓を溶かしたり、もう1回カテーテル室や手術室に行って、カテーテルを入れた部分を切開して血栓を除去しなければならないことがあります(血栓除去術)。
    11. カテーテルをいれた部分の静脈がつまることがあります。その際には普通は無症状ですが、一過性に鬱血やむくみがくることがあります。また、将来、再度その静脈がカテーテル検査に使えなくなることがあります。
    12. カテーテルを入れた部分の動脈と静脈の間に小さな交通ができてしまうことがあります(動静脈瘻といいます)。血液が動脈から静脈に流れ込んでしまうので、皮膚を切開して動静脈瘻を直さねばならないことがあります。

    3.脳神経系

    1. 血液は異物と接触するとかたまりやすくなります。カテーテルも血液にとって異物と言えます。そのため血管、とくに動脈にカテーテルをいれている間は、ヘパリンという血液を固まらなくする薬を使いますが、それでも血液のかたまり(血栓)ができて、脳の血管に血栓が流れていくことがあります。その際には、脳梗塞となることがあります。またカテーテルの先端についている風船(バルーンカテーテル)が破けて炭酸ガスがもれて脳動脈に流れれば、脳血流は一時的に止まります。脳血流が止まったり少なくなると、脳梗塞となることがあります。
    2. ヘパリンを使用すると出血しやすくなります。脳の血管が出血しやすくなっていれば、脳出血が起こる可能性があります。
    3. カテーテル中やカテーテル後に血圧が低くなったり心臓から拍出される血液の量が少なくなったりすると低酸素性脳障害がおこることがあります。
    4. 脳梗塞、脳出血、低酸素性脳障害の程度が高度の場合には脳死、植物状態、意識障害、高度知能障害になることがあります。
    5. 脳梗塞、脳出血、低酸素性脳障害の程度によっては、脳の部分的な障害による症状がでることもありえます。例えば、知覚障害、視野異常、視覚異常、聴覚異常、四肢麻痺などです。また視力を司る領域の血管が障害を受けると、視力が消失することもあり得ます。
    6. 特別な原因が無くても痙攣がおこることがあります。

    4.手足

    カテーテル中は、長い時間同じ姿勢をとるので、カテーテル終了後に手がしびれたり、麻痺したりすることがあります。普通はマッサージやリハビリで回復します。また褥瘡ができることがあります。カテーテルを入れた場所に皮下出血をきたすことがあります。その部分に多少の痛みがあったり青あざができることがありますが、数日—数週で消失します。

    5.呼吸器系

    1. カテーテル中に呼吸が浅くなったり呼吸回数がへったりすることがあります。マスクをあてて呼吸を助けたり、喉にチューブを入れて舌が気道を塞ぐのを予防したり、気管にチューブを入れて人工呼吸をする必要があることがあります。
    2. 口、鼻、気道にチューブを入れたり、分泌物を除去するために吸引したりする際に、出血することや歯が欠けたり抜けたりすることがあります。
    3. カテーテルの最中に、気管に分泌物や嘔吐物が入ると肺炎になったり、空気が入りにくくなったり(無気肺)することがあります。
    4. 気管にチューブを入れた後、声帯が麻痺して声が出にくくなったり声が枯れたり、物を飲み込むときむせたりすることがあります。
    5. カテーテルが肺動脈を傷つけ穴があくと肺の血管から気道に出血することがあります。また肺静脈にカテーテルを入れて肺の毛細管を通して肺動脈を造影することがあります。その際にも肺の血管から気道に出血することがあります。出血が多量の場合には窒息するおそれもあります。

    6.泌尿器系

    1. カテーテルの最中に膀胱に尿がたまりすぎる排尿しにくくなることがあります。その際には、膀胱に尿カテーテルを入れて排尿することがあります。またあらかじめカテーテル前に膀胱に尿カテーテルをいれておくことがあります。膀胱に尿カテーテルを入れる際に、尿道や膀胱に傷がついて出血することがあります。
    2. カテーテル検査時に造影検査を行いますが、造影剤の副作用で腎機能障害が起こることがあります。

    7.消化器系

    造影剤の副作用で吐き気、嘔吐、腹痛が起こることがあります。もともと消化器系潰瘍等がある方などでは、カテーテル検査をきっかけに吐血や下血などをおこすことがあります。

    8.眼

    長時間の麻酔時には角膜の保護を行いますが、それでも角膜潰瘍など角膜の損傷をきたすことがあります。

    9.皮膚

    ばんそうこうの皮膚かぶれ、点滴の後の静脈炎、点滴の漏れに伴う皮膚潰瘍および壊死、電気ショックのあとの火傷などがおこることがあります。

    10.発熱

    カテーテルの後数日、発熱することがあります。通常は無治療で回復します。カテーテル検査は、抗生物質を使いながら手術室とおなじ清潔な部屋で行います。それでもまれに、(全身状態が悪いときは特に)、カテーテル検査をきっかけに細菌性心内膜炎や敗血症など、細菌感染症になることがあります。

    11.造影剤の副作用

    造影剤の副作用には、嘔気、嘔吐、食欲低下、じん麻疹などの発疹、喘鳴、喘息症状、発熱、咳、下痢、腹痛などがあります。またまれにショックといって血圧が下がったり脳障害や死に至ったりする重大合併症が起こることがあります。造影剤の使用にあたっては、少量の造影剤でテストをしてから使い始めます。

    12.薬物の副作用

    抗生物質で、薬疹がでたり、喘息様呼吸器症状がでたり、またまれにショックといって血圧が下がったり死に至ったりする重大合併症が起こることがあります。
    またカテーテル検査時には心臓や血管の機能を調べるための様々な薬を使うことがあります。それぞれの薬には各薬特有の副作用がおこる可能性があります。

    13.輸血の合併症

    輸血はなるべくしないように最大限努力いたします。それでもカテーテルを安全に行い、また時に患者様の生命を救うためには輸血が必要なことがあります。輸血には様々な合併症があります。輸血をする時や、輸血を準備するときには、輸血の合併症について別に説明し、輸血承諾書をいただきます。

    14.麻酔(全身麻酔、局所麻酔)に伴う危険性

    カテーテル検査時に全身麻酔が必要なことがあります。全身麻酔薬は呼吸を抑制したり、心臓機能をおとしたりする副作用があります。また気管内挿管を行う際には、口の中や気道に分泌物が多い場合などには気管が見えにくい場合もあります。その際には気管内挿管に時間がかかり、その間に低酸素状態になったり、重篤な不整脈や脳障害が発生したりすることがあります。
    局所麻酔剤の副作用でショック状態となって血圧が下がったり脳障害や死に至ったりする重大合併症が起こることがあります。

    15.放射線障害

    1. カテーテル検査はレントゲンを用いて行います。レントゲン線は背中や腋の下に主にあたります。レントゲン線を多量にあびると、皮膚が赤くなったり、皮膚潰瘍ができたりすることがあります。まれにそのあとが悪性腫瘍になることがあります。通常のカテーテル検査では皮膚障害が出現するほどの放射線には曝露されません。長時間のカテーテル治療では、放射線の被曝量によっては、皮膚障害出現の可能性もあります。
    2. 通常のカテーテル検査やカテーテル治療でのレントゲン被曝が、全身に与える影響はほとんどないと考えられます。しかし、染色体異常をもたらしたり、将来ガンの発生率を上げないとは断言できません。また子孫に与える影響が絶対ないとも断言できません。
    3. 一般に、放射線には障害作用があるといわれていますが、放射線被曝による不利益と、レントゲン使用によって得られる利益を勘案して、利益の方が大きければ使用できると考えられています。

    16.カテーテル治療に伴う合併症

    カテーテル治療を行う際には、カテーテル治療固有の危険があります。

    17.予期できない合併症

    文献に記載もなく、当施設でも今までに経験していないため、あらかじめ想定できないような合併症も発生する可能性があります。

    合併症の発生予防

    以上の合併症が発生しないよう、できるだけの注意・努力をいたします。

    合併症を回避するために検査を途中で中止することもあります。

    合併症発生時の対処について

    万一、カテーテル検査中あるいは終了後に合併症が発生した場合には、できるだけの対処と治療をいたします。

    合併症に対して緊急的に輸血および外科的処置、透析、人工呼吸器装着、補助循環装置の装着などの救命処置を行う必要性が出現することもあります。

    カテーテル検査で入院される方へ

    1. カテーテル検査の入院日と検査日について
    2. 心臓カテーテル検査の説明について
    3. 入院後の大体のスケジュールは?
    4. 心臓カテーテル検査当日の御家族の待機について
    5. 入院前に注意していただきたいこと
    6. 入院時におたずねすること
    7. カテーテル検査前に予防接種をうけてよいか?
    8. 患者さんやご家族へのお願い
    9. 入院中の患者さんへの面会についてのお願い

    1. カテーテル検査の入院日と検査日について

    カテーテル検査を大体いつごろ行うかを、外来担当医と相談されていると思いますが、実際のカテーテル検査の施行日は、施行日より1—3週間前に、およその日程を決めています。大体の施行日が決まりしだい、患者さんへ入院の案内をいたします。
    入院されてから大体2—4日後にカテーテル検査をおこないます。入院からカテーテル検査までの日数は、患者様によって異なります。通常はカテーテル終了後、2−4日で退院できますが、退院までの日数は患者さんによって異なります。

    2. 心臓カテーテル検査の説明について

    心臓カテーテル検査は、心臓や血管に直径約2mmの細い管(カテーテル)を入れて圧を計ったり、造影を行う検査です。正確な診断と病気の状態をより詳しく把握することにより、今後の治療方針(外来通院、薬物治療、外科的治療など)を立てる上での基礎資料となります。
    入院していただいた後、心臓カテーテル検査の前に、患者さんおよび御両親、または御家族の方に、担当医から検査の目的、方法、危険性などについて説明いたします。患者さんおよび御家族にはその説明をお聞きいただいて心臓カテーテル検査について十分に御理解していただいた上で検査を行います。検査の当日は時間的な余裕が無いため、検査の説明は少なくとも検査前日までには行えるようにご配慮をお願いいたします。

    3.入院後の大体のスケジュールは?

    入院後、血液検査などをおこなって、カテーテル検査が安全に施行できるかを決めます。カテーテル検査の日は入院時にはほぼ決っていますが、緊急を要する他の患者さんや、患者さんの突然の病状の変化などによりやむを得ず、日程を変更させていただく場合があります。心臓カテーテル検査についての説明の日時と、カテーテル検査の日時は、入院後担当医からお知らせいたします。
    まれに、緊急を要する他の患者さんや、患者さんの突然の病状の変化などによりやむを得ず、日程を変更させていただく場合がありますことを、御理解下さいます様お願いいたします。

    4.心臓カテーテル検査当日の御家族の待機について

    検査の当日は不測の事態が生じる可能性もありますので、御両親または御家族には必ず来院いただいた上、検査が無事終了し、患者さんの状態が落ち着くまでは病院での待機をお願いいたします。

    5.入院前に注意していただきたいこと

    頭をぶつけないように

    検査中には、一時的に血液を固まりにくくするヘパリンという薬を使う必要があります。頭部を強く打撲して内出血がおこり、その後出血が一度止まっていた状態でカテーテル検査をすると、ヘパリンのために検査中に再び出血する可能性があります。頭部の打撲には日頃から気をつけてください。
    万一、強く頭を打ったとき(こぶができたり、内出血が見られる場合など)には検査を中止または延期することがあります。判断に迷うときには外来担当医(いつもの外来医 師)や入院主治医に相談して下さい。1ヶ月以内に頭を強く打ったことのある場合には申し出てください。1ヶ月以内に頭を強く打った場合に、入院の案内から連絡があった時には、カテーテル検査を予定どおり行えるかどうかを外来担当医と相談していただくのがよいと思います。

    伝染する病気について

    入院前にはできるだけかぜを含めた感染症のある方と接触する事は避けて下さい。
    入院後も、外出や外泊中に、感染症のある方と接触することは避けて下さい。
    カテーテル検査前にかぜ症状が強いと、検査を中止したり、延期したりすることがあります。
    心臓病を持つ患者さんが伝染病に罹患すると重症化することもあります。小児病棟で伝染病がまん延しないために、入院前に伝染病患者と接触し、感染した恐れの ある場合(つまり現在潜伏期である可能性である期間)入院を延期して頂くことがあります。接触しても発症しないこともありますが、発症しないことを確認す るのに必要な期間はおよそ以下の通りです。

    病気の名前 平均的
    潜伏期間
    発症しないことを確認
    するのに必要な期間
    麻 疹(はしか) 11日 3週間
    水 痘(みずぼうそう) 2週間 3週間
    耳下腺炎(おたふく) 2週間 4週間
    風 疹(三日ばしか) 2週間 3週間
    インフルエンザ 2~3日 1週間

    判断に迷う時は外来担当医に相談してください。

    6.入院時におたずねすること

    入院時に、感染症にかかったことがあるか、予防接種を受けたか、最近感染している人に接触したか?
    についてのおたずねの用紙をお渡します。お渡しする用紙には下のような表がのっています。どちらかに○をつけてください。母子手帳を持参いただくとわかりやすいと思います。

    疾患名 かかった ワクチン接種歴 過去3週間の接触歴
    麻 疹 あり なし 不明 あり なし 不明 あり  なし
    風 疹 あり なし 不明 あり なし 不明 あり  なし
    水 痘 あり なし 不明 あり なし 不明 あり  なし
    帯状疱疹 あり なし 不明
    あり  なし
    流行耳下腺炎 あり なし 不明 あり なし 不明 あり  なし
    百日咳 あり なし 不明 あり なし 不明 あり  なし
    インフルエンザ* あり なし あり なし 不明 あり  なし
    流行性角結膜炎

    あり  なし
    伝染性紅斑 あり なし 不明
    あり  なし
    上記以外の発熱、
    発疹、咳、嘔吐、
    下痢などの症状


    あり  なし

    *インフルエンザについては11〜4月のみ、そのシーズンのものを記載して下さい。インフルエンザ患者と接触したか、過去3日間の接触有無を記入して下さい。
    本人が入院中に付き添われる方(お母様など)の感染症の罹患歴や予防接種歴も入院当日お尋ねしますので、あらかじめ調べておいていただけると幸いです。 患者さんと一緒に病棟内で過ごされるご両親も、免疫がないときは伝染病患者と接触後に発症することがあります。伝染病患者と接触したときには、かかったこ とがあるか、予防接種を受けたかをご確認いただき、質問票にご記入下さい。
    本人が外泊される場合には、外泊から戻られた時にも感染症に関する質問をさせていただきます。

    7.カテーテル検査前に予防接種をうけてよいか?

    予防接種を受けていれば伝染病にかからないですむ可能性があります。日頃から予防接種をしておくようにおすすめします。ただし、カテーテル検査や手術の前1週間から1ヶ月以内(3種混合や不活化ワクチンは1週間、生ワクチンは1ヶ月)は予防接種を受けないようにして下さい。
    ・ポリオ、みずぼうそう、はしか、風疹、おたふくかぜ、BCGワクチンは生ワクチンです。
    ・インフルエンザワクチン、日本脳炎ワクチンは不活化ワクチンです。
    ・百日咳、破傷風、ジフテリア (3種混合)も一種の不活化ワクチン(トキソイド)です。
    カテーテル検査を大体いつごろ行うかを、外来担当医と相談されていると思います。大体の入院日は1—2週間前におしらせしますが、正確な入院日は数日前 にならないと確定できません。カテーテル検査が3—4ヶ月先になりそうなら、その間に予防接種をしておくことは可能です。
    外来担当医から言われている「大体いつ頃」の期日が近くなってからの生ワクチン接種は避けていただくのがよいと思います。判断に迷う場合には、外来担当医と相談して下さい。もし予防接種 をした後に、上記の期日内に入院の案内がきた場合には、入院案内係にその旨を言っていただければ、入院日を再調整し、可能な限り早く入院できるようにいたします。

    8. 患者さんやご家族へのお願い

    西B6階は、小児から成人までの広い年齢層の患者さんが入院しておられます。また、循環器小児科、心臓血管外科、脳外科の混合病棟です。
    入院中の患者さんへの感染を防ぐために以下の事にご協力下さい。

    1. 感染の予防には手洗いが大切です。お部屋への入室の際は、ドアの前にある消毒剤で手の消毒をして下さい。また、トイレ時はもちろん、食事の前にも、良く手洗いをして下さい。
    2. 病棟内の感染対策のため、部屋を移動したり、マスクをしたり、外出を控えたりする事をお願いする場合もありますので、あらかじめご了承下さい。
    3. 病棟内に感染症がひろがるのを予防するため、食べかけの食事を他の方にあげたりしないでください。
    4. 病棟内に感染症がひろがるのを予防するため、なるべく他のお子様を抱っこするなどの接触を避けてください。
    5. 病棟内に感染症がひろがるのを予防するため、なるべく他のお子様とおもちゃを共有しないでください。
    6. トイレの前後には、トイレに常備してあります消毒剤入りのテッシュで便座を拭いてください。
    7. 患者さんや付き添いの方に体調不良(かぜ症状、発疹、下痢、嘔吐などどの様な症状でも)があった場合には、速やかに申し出てください。
    8. 食品などの品々を持ち込まれる時はご相談下さい。但し、患者さんは病院食を召し上がっていただきます。
    9. 売店に行くなど、病棟から外出する場合には、必ず、ナースステーションに声をかけてください。付き添いなしで売店まで外出できるのは、中学生以上とします。小学生以下の患者さんで付き添いなしで入院される場合、売店での買い物に関してはご相談ください。
    10. 売店付近への長時間の外出はひかえて下さい。
    11. 退院後に他の入院中の方へのお見舞いに来る事は出来るだけ避けて下さい。ご自身やお連れのお子様が、入院中の患者さんへの感染源になることを避けるためです。

    9.入院中の患者さんへの面会についてのお願い

    患者さんの健康とプライバシーを守るため、面会に関して以下のことをお願いしています。ご協力をお願いいたします。

    1. 西B6階病棟(心臓病センター6階)での面会時間は以下の通りです。
      13時—19時
      *お母さまが付き添っておられるときには、お父さまも、カテーテルや手術以外の日は、一般の面会の方と同じ面会時間となります。
    2. 面会に際しては、ナースステーションカウンターにて記帳し、面会者用の色カードを受け取り、首にかけてからお入りください。面会終了後はカードを元の所へお返しください。
    3. カードを身に付けていらっしゃらない方が病棟内におられる場合には、退去をお願いいたします。
    4. 面会は病室、または6階談話室・1階のロビーでお願い致します。1階での面会をご希望の方はお申し出ください。
    5. 面会のために病室に入れる方は、付き添いを含めて2名までです。付き添いの方以外は面会者となります。
    6. 6階談話室は狭いため、6階談話室での面会も2名までとさせていただきます。
    7. 小学生以下の面会者は、6階病棟での面会はご遠慮いただきます。
    8. 発熱、咳、発疹、下痢、嘔吐などのある方、かぜをひいていらっしゃる方、はしか・みずぼうそう・おたふくかぜ・三日はしかなどの病気にかかっている疑いのある方、または最近接触した方は面会をご遠慮ください。詳しくは、医師または看護師にご相談下さい。
    9. 面会に際し、手洗いをお願いいたします。お部屋への入室の際はドアの前にある消毒剤で手の消毒をして下さい。また、トイレ時はもちろん、食事の前にも手洗いをお願いします。
    10. 食品などの品々の持ち込みに際してはご相談ください。
    11. 病気を患者さんにうつさないように十分ご注意ください。冬季は特にウィルス性腸炎やインフルエンザを患者さんにうつさないようご注意ください。
    12. 患者さんの安静のために、面会はできるだけ短時間でおすませください。

    西B6階病棟 病棟医長
    看護師長

    2009年1月26日更新